2020年05月13日






耐震等級3なら安全という人が
余りに多いので



「何故それだけでは
意味が無いのか」という理由ですが





前回記事の続きになりますので


これからの話しの理解の為にも



是非とも前回記事


1981年の
新耐震基準が出来る
経緯の話をご覧下さい





http://reogress.net/archives/24238106.html




一応簡単に
前回記事のおさらいをすると




・旧耐震基準は大正13年に出来た


・新耐震基準が出来たのが昭和56年
(新と言っても古い基準です)


ここで震度5までは耐えれて
震度6~7は建物は壊れるけど
すぐには倒壊はさせない
という基準が出来た



実際に阪神淡路大震災では
倒壊した98%の建物が旧耐震基準で


1981年以降の
新耐震基準で建てた家の場合
倒壊したのはわずか2%です



・そして震度6強~7程度まで耐えてねっていう
 今の2000年に出来た耐震基準になります






・今の耐震基準のおさらい



ご存知の通り



現在の耐震等級は
1から3まであって


地震2a


・耐震等級2は等級1の1.25倍

・耐震等級3は等級1の1.5倍


この数値まで耐えられるって
言ってますが





「じゃあ1.25倍とか1.5倍って
基準の数値はなんなの?」って
思いますが



地震2b


こんなデータ見ても
普通の人は分かりませんから
数百年に一度と書いてますが



阪神大震災後に
「このクラスの地震が来ても
倒壊を防ごう」と出来た基準なので


数百年に一度の地震=阪神大震災です





「阪神大震災クラスでも
倒壊しないでね」って言う
基準で作られていますが





何故かハウスメーカーというのは


買う方に


「分かりにくく説明するのが大好きなので」
(誤魔化しが効くんでしょうね・・・)




最近ハウスメーカーは
〇〇ガルまで耐えられますって
言いますが



目安でガルで言うと


・耐震等級1は400ガル

・耐震等級2は1.25倍ですから500ガル

・耐震等級3は1.5倍ですから600ガルまで
 耐えられる計算です


地震2c


こちらはセキスイハイムの実験データですが



阪神大震災は900ガルでしたから


ガルのデータだけなら
耐えられますが



じゃあ東日本大震災は
どれくらいだったのかと言うと
なんと4,000ガルです



阪神大震災の4倍以上ですね




しかし・・・


津波の被害が
尋常じゃ無かったですけど


地震だけで比べたら

阪神淡路大震災の方が
建物の被害が多かったので



ガルだけでは家の強さは
表せません



多分、このセキスイハイムの家も
耐えられると思います



そこで、次に「カイン」という
言葉が出ます






・地震の強さを表す「ガル」と「カイン」



とにかく分かりやすく説明したいので
なるべく簡単に書きますが



・「ガル」は加速度です


・そして「カイン」は
 揺れの速度です




ハウスメーカーは
〇〇ガルまでは耐えられると言いますが


地震2d


上記2つの地震は
同じ震度なのに
ガルは3倍も違います



東日本大震災は
短い地震が「どーん」と来て



阪神淡路大震災は
長い地震が「ゆらゆら」という
イメージです




「地震の被害とカインって
割と比例してるよね?」
という事で



今は建物被害では
ガルでは無くて
カインの方が多く使われています



ガルは圧倒的に
東日本大震災の方が数値が高いですが




カインは


・阪神淡路大震災は200~300カイン

・東日本大震災は100カインと


かなり強さが変わっています



一瞬の加速度だけ
凄い高くても


実際の地震は
揺れの長さでも被害が変わるので


ガルだけでは難しいですし
カインだけでも難しいです



その為に日本には便利な
「震度」があるので



わざわざ〇〇ガルまで耐えられるって
宣伝していると


「この時のカインはいくつです?」
って聞き返したくなりますね






・熊本地震の震度7の連続


2016には熊本地震が起きましたが


こちらは震度7クラスの揺れが
連続するという
地震でした





ちなみに熊本地震のガルとカインは


・1回目が1,580ガルで92カイン

・2回目が1,362ガルで130カインです



こちらもガルの数値だけなら
阪神大震災を上回っています



今の耐震基準は


1回の震度7クラスを
耐えるという規定ですから


1回目で損傷はしなかったけど
かなりのダメージを負って


2回目で損傷、倒壊という家が
ありました


・・・・
・・・
・・



そして


地震2e


耐震等級2の家が倒壊したので



「耐震等級3なら壊れませんが
2なら壊れます」という


とんでもない事を言う
メーカーまで出てきましたが



後述しますが
本当の理由は違います



そもそもこの理論だと
旧耐震と耐震等級1の家も
倒壊しないとおかしいですし



ちなみにこの地震で倒れた
耐震等級2の建物はこの1棟だけで
他は全部被害はありません





・何故耐震等級だけで安全では無いのか



①家だけで決まらない地震の揺れ



こちらは東日本大震災時の
細かい場所で分けた震度マップです


地震2e-2


同じ地域でも
震度4~5弱の家もあれば
震度6強の家もあります




通常発表の地震範囲では
同じ震度になりますが



実際は建てている地盤で
大きく変わります


地震2e-3



昔は山だったり川や沼などを
造成して家を建てる場合もありますが



こんな土地は
過去の人は


「あそこは危険じゃん・・・」


って家なんか建てませんが
今は普通に建ててますね



その為に今は
地盤調査があります



幸い我が家は
地盤改良が必要無かったですが



これもギリギリOKと
余裕を持ってOKなら強さは違いますし



地盤改良なら
ギリギリ数値的にOKと
余裕を持ってOKなら


かかるお金が
100万円以上変わってきます


地震2f


先程の倒壊した耐震等級2の建物も
盛り土の上に建っていて



さらに
隣家は地盤改良をしているのに



こちらの家は
地盤改良はしていませんでした







②意味の無い耐震等級の計算



耐震にこわだる
工務店さんはよく言いますが




木造の2階建ての場合
耐震等級の計算は2通りあって


・壁量計算(簡単な計算)

・許容応力度計算(大変な計算)


この2通りあって
どちらで計算しても耐震等級は取れます



凄い簡単に言うと


壁量計算
「これだけの筋交いや耐力壁があれば
大丈夫です」という


量だけの話しで
バランスが考慮されません



分かりやすく
我が家の家族


・パパ
・ママ
・4歳の息子
・2歳の娘



この4人で
50kgの鉄板を運ぶとして


地震2h


50kgの鉄板なら
大人が向き合えば
運べると思いますから



上記のように家族を配置すれば
運べますが





パパ、ママが隣同士で

地震2i



向こう側が子供だけだと
4歳と2歳では絶対に運べませんが



壁量計算では
量がクリアしてればいいわけですから



極論を言えば
どっちのパターンでも
審査に通ってしまいます



ですから
耐震にこだわっている
工務店なら



ちゃんと計算をする
許容応力度計算をします


地震2j


こちらは静岡県の
マクスという工務店さんですが


地盤調査をしてから
構造計算をして
建物と基礎を設計するそうです



・地盤の問題点

・壁量計算の問題点



この2点が
解決されるわけですから




時間と予算が許せば
地震に不安でしたら




こういう事が出来る
工務店やメーカーを
探した方がいいと思います





一部のハウスメーカーでも
全棟で許容応力度計算を
していますが




実際には


・壁量計算で済ますのが9割で

・許容応力度計算は1割程度だけしか
 行っていません
(鉄骨と木造の3階建ては100%義務なのでしています)



許容応力度計算は
とにかく時間がかかるので



通常ほとんどの
ハウスメーカーは



契約までの間取りや見積もりは無料
もしくは格安で行いますから


この段階で構造計算なんて
していられませんね



契約取れなければ
儲けにならない段階で
そこまでお金と時間は掛けれません・・・




そして契約後に
地盤調査~着工しますが
ここでちゃんとした構造計算をすると



物凄い時間がかかるので
単純な計算の手間もかかりますが


着工まで間が空きます



ですから許容応力度計算を
希望する場合は


ただ、計算するだけではなく
工期を延ばす為に
高額になってしまいます
(着工の回転数が落ちますので)



なので壁量計算で済ますのですが


これに意味があるとは
余り思えませんし


ある程度図面が読めれば


設計図貰えれば
自分で計算出来るツールもあります



これで
「我が社は耐震等級3ですから
安心です」って言われても



余り安心出来ませんね



地震2f


先程の熊本地震の建物も
倒れなかった左の建物は


軽量鉄骨なので
許容応力度計算は絶対にしています





・家を揺らさない事も大事



現行の耐震基準では
制震、免震は考慮されていません


地震2k


我が家は標準で
制震ダンパーが付いていましたが



割とコスパが良く
20万~30万円で取り付け可能です







耐震と違うのは
複数回の揺れにも
効果がありますから



そもそもの揺れを減らすというのは
効果があると思います



もちろんお金と時間に余裕があれば



許容応力度計算もした
耐震等級3を取って
さらに制震装置がベストです


地震2L


地震には制震より
さらに強い
免震構造のマンションなども



耐震等級はほとんどが1です



現状の耐震等級では
揺れを抑える事は
考慮されていません



地震2m


我が家の建設中の写真です



筋交いとダイライトの構造用合板を
全面に使っていますから


壁量計算なら
耐震等級3になると思いますし



もし足りなければ
片筋交いを両筋交いにすれば
点数が上がります




筋交いが多いと
今度はグラスウールの施工が大変ですが


これは吹き付け断熱に
変更すれば解決します



筋交い増やすだけなら
2~3万円程度で
可能だと思いますが



許容応力度計算にすると
間取りの関係もあって


設計士さんは
「多分等級2かなぁ・・・」と言ってました


もちろんちゃんと
計算したわけでもないですから
分かりませんが


ローコストのハウスメーカーで
許容応力度計算までしてもらうと



かなりの金額が
かかってしまいますし




そもそも
「うちでは無理です」って

お断りされる所も多いと思います




ある程度の棟数を短期間で建てて
価格を抑えていますから
高額になるのは仕方ないですね・・



もちろん制震装置は
耐震等級には考慮されません






・無意味では無いですが・・・



決して耐震等級3が
意味の無い基準ではありません



耐震等級1より
強度な事は間違いないですし



等級1でも
実際ほとんどの地震なら
倒壊は防げますし


1981年の基準から考えら
かなり安全です



しかし、ハウスメーカーなどに行くと
「耐震等級3だから安全です」とか



「うちのメーカーだけは
東日本大震災でも
大丈夫でした」


などなど


うちで建てれば平気みたいな事を
言う人がたくさんいます






バカ正直に

「あなたがちゃんとした土地を選べば
我が社の家なら耐えれます」


とか


「壁量計算ですから100%では無いですが
昔に比べたら安全です」


なんて言う営業さんも
いないと思いますが(笑)




少なくとも今の地震学者さんは
耐震等級3なら大丈夫なんて言いませんし


今の基準に合った
新しい耐震等級を
作るべきと言っています


もちろん我が家も含めて
今までの住宅が旧耐震住宅になるので


反対も多く
簡単には行きませんが・・・



・同じ建物強度でも建てている地盤で
 全く変わりますし


・同じ耐震等級でも
 全く強度は変わってきます



解体業として
「ここも分譲地になるのかぁ・・・」
と不安な土地もあります



その結果耐震等級1より地震に弱い
耐震等級3という建物も出てきます



うちは構造設計も地盤も完璧って
工務店さんやメーカーはともかく



不安な人は
制震装置などの設置も
検討した方がいいと思います


・・・・
・・・
・・





震度6~7の地震で
損傷は防げましたが


「断熱材は取れて
気密はスカスカになりました」でも



躯体が損傷してなければ
その家は「無傷」という
判断になりますから・・・




ちなみに私は
許容応力度計算はしていません



どれくらい不安かというのは
個人差があると思いますけど




普段は築30年程度の建物
なかには1981年以前の建物も
解体しますから




自分の家の仕様を見て


・4寸の柱
(30年ほど前は3.5寸が多いです)


・筋交い+ダイライトの耐力壁


・制震装置


・ベタ基礎

後は地盤改良も無く
液状化などのリスクも無い土地だったので




許容応力度計算は行っていません


2~3万円で出来るなら
していますけどね






地震に関しては
まだ書きたいことがあるので



次回は


どうして耐震等級2の家が
熊本地震で倒壊したかです



実際、倒壊した家の
設計図を見ると



「これは倒壊しても仕方ないなぁ」って
部分が多数あります




地域的、性格的に不安でしたら
許容応力度計算を行うメーカーで
建てた方が絶対にいいです






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この記事へのコメント

1. Posted by ヤス   2020年05月13日 20:34
こんばんは。
今回も内容が盛り沢山で、大変読み応えがありました☺️
我が家は、家の外周はハイベストウッド で施工してあります。筋交いの併用はしていません。
内壁の耐力壁は筋交いです。
準耐力壁を含まずに、計算してみたところほぼ耐震等級2の壁量でした。
バッコ博士氏のブログも読んでますが、耐震等級を取得するよりも優秀な建築士に設計してもらうことが重要みたいですね。
2. Posted by reogress   2020年05月14日 08:17
>>1
ヤスさん
コメントありがとうございます


壁量計算だけだと
バランスや地盤が
考慮されないですからねぇ


すごい昔の家なんて
基礎は石が置いてあって
その上に乗ってるだけとかですから


そう考えると
今の家はどれも丈夫だなぁっていうのと


そういう家がずっと
残っているのは
やはり地盤の差が大きいなぁと思います


数字で分かったり
学者じゃないですけど
うちの母親なんかは
「あの道より南には建てない方がいい」
とか昔からの経験っていうのも


実際ハザードマップで調べたら
当たっていたりします
3. Posted by しん   2020年05月17日 23:12
5 はじめまして。
いつも楽しみにブログ読ませていただいています。

Rrogressさんのブログを拝見して感化され、レオハウスで建ててもらいました。

今回耐震等級のお話ですが、我が家は性能評価を受けることにより構造計算をしてもらって耐震等級3を取りました。
設計性能評価と建築性能評価に構造計算もコミコミで計4、50万円くらいだったと思います。
壁量ではなく構造計算に基づき設計されている安心感に加えて、物量的にも基礎の鉄筋とホールダウンアンカーと柱の筋交いの量と梁の太さが半端ないことになってました。
構造計算自体は外部の設計事務所に外注していましたが、これに限らず、レオハウスは要望すれば対応してくれるので、興味がある人は契約の前に営業さんに相談してみるのが良いと思います。

4. Posted by reogress   2020年05月18日 08:11
>>3

しんさん

コメントありがとうございます

ちゃんと受けても50万円で
出来るんですね^^

営業さんが
「50万くらいかかるよ」って話でしたので

実際はもっとかかるかと思っていました



大手の規模じゃないので
予算さえ出せれば
何でもしてくれるので


私もその点は
非常に満足しています^^


大きなとこって
〇〇はダメっての多いですからね^^;

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