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日本に昔はツーバイフォー工法が無かった理由 ~今はどちらでも問題ありません~

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一般の住宅で木造建築の場合
大きく分けると


ツーバイフォー工法

ツーバイa

在来工法
ツーバイb
この2つに分かれます
(鉄骨で作るヘーベルハウスや積水ハウスは除きます)


他にも色々〇〇工法って
言葉はありますけど

ツーバイか在来工法をちょこっと変えただけ
みたいな感じです


そして

ツーバイフォー工法の工務店や
建てた方は
「在来はよくない、ツーバイの方が優れてる」と書きますし
在来工法の工務店や建てた方は
「日本ではツーバイ工法は合わない」って書いてある

ブログが
非常に多いのですが


我が家は在来工法ですけど

「どちらで建てても問題無いですし変わりません」
その理由を現役の大工さんから
聞いたので説明します
目次

日本に無かった理由① 「湿気」

私の会社は解体ですから
基本古い家を解体しますので
(欠陥などあれば新築も解体されますが
ツーバイb-2

ツーバイフォーは日本では歴史が浅いので
在来工法の解体の方が圧倒的に多いのですが

ツーバイc
今は在来工法もパネル貼る方が多いので
こういった在来工法の家も少ないですが
昔は在来工法は
こんな感じで柱だけでした
ツーバイd

(レオハウスのパンフレットです)


昔ながらの筋交いと柱だけの
家は少なくなって

今は見た目だけではツーバイも在来工法も
似ているのですが
昔は筋交いだけでしたので
ツーバイフォー工法の方が
耐震に優れているので
アメリカよりずっと
地震が多い日本でこそ
ツーバイフォーの方がいいと思うので
色んな大工さんに
「なんで昔からこの工法無かったんです?」って聞きました


柱どうしを合板で留めればいいんですから
昔でも作れる技術はあるわけですので
ちょっと疑問に思ったので質問したのですが
その中で一番の理由は
「日本は湿気が多いから建てれない」という物でした


元々乾燥地帯の工法ですから
あっちは含水率が高いような木材でも
すぐ乾燥するんで平気ですが
日本ではそういうわけにはいきません


「なるほど、柱だけで組むのは湿気が
家の中にこもらないようになんですねー」
と話してましたが

今は壁も屋根も通気層を
作って建てますし

当然今は
さまざまな工夫があって
ツーバイe
普通の工務店やメーカーなら
乾燥基準を満たした木材を使いますし
ツーバイf
湿気を防いで
壁内結露もしないような
工夫もたくさんあります


逆に在来工法だって
今は高気密ですから
湿気が理由で
ツーバイフォーはダメというのは
今はありません


どちらの工法も
湿気対策は当然行っているので
湿気の理由でしたら
どちらの工法でも今は問題ありません
(ちゃんと施工が出来ていればの話ですけど

日本に無かった理由② 「雨」

こちらも昔の大工さんは
非常に言いますが
ツーバイg
(ツーバイフォー協会の建築工程より)


ツーバイフォー工法は
下から上に順番に作らないといけないので
屋根が乗るのに
非常に日数がかかります


在来工法
でしたら

上棟当日に

屋根の下地(野地板)まで
組み立てちゃいますし
遅くても
翌日には屋根にルーフィングという
防水シート貼りますから
工程見ても翌日までの2日間が
晴れていれば問題がありませんが
ツーバイフォー工法は
屋根を最後に組みますので
雨が多い日本では
難しいという理由と
万が一雨が降った場合に
①の理由の湿気と同じですが
日本は乾燥地帯じゃないので
ほっといて乾燥はしないので
日本では向いてない工法という理由です


こちらも、今の家は
ツーバイでも在来工法でも
工場で出来上がった材料を
組み立てるだけですから
非常に早く出来ますから
ツーバイフォーでも3日、4日ほどで
屋根に防水シートをかけれます
(もっと期間かかる所もありますけど


平均すると
在来工法の方が2日、3日短いくらいですので
梅雨時、夏季の夕立が多い時期以外でしたら
どちらの工法でも問題はありません
ツーバイh
我が家の上棟は
雨は降らなかったので
スケジュール通りでしたが
まっとうな工務店やメーカーなら
雨天なら延期にすると思いますが


木材の心配というより
雨の日の上棟なんて大工さんが心配ですし・・・

昔ほど
雨=現場休みって事もないのですが
ちょっと強めの雨なら休みますし
上棟は危険ですからしないと思います

ツーバイフォーでも在来でも
日数がそれほど変わらない今は
雨の対策は
ちゃんと延期する余裕が持てる
工務店次第という事になります


ブログ見てると未だに1週間とか
かかっている工事もありますので


万が一雨に降られた場合
「大丈夫」って言う人もいれば
「ダメ」って言う人もいます


毎日木材見てる私から見れば
少しの雨なら平気ですし

多めの雨でもちゃんと対処すれば
問題ないと思いますが

やはり高いお金出して買う家ですから

気分的には
家の中は濡れない方が当然いいですね


なんとなく水浸しってのも嫌ですし・・・


ツーバイガードとか
ちゃんと養生出来て入れば
問題も起きないんですけどね



日本に無かった理由③ 「木材」

ツーバイフォーは辞めた方がいいって言う理由の
ほとんどが上記①と②の理由なので
今は問題が起こらないというのも
分かったと思いますが
変わったご意見の中に
「檜のツーバイ材なんて無いだろう(笑)」という方がいました


たしかに日本では昔から
家の木材=檜ですし
我が家のようなローコスト住宅でも
基礎部分は檜を使っています
ツーバイi
柱は集成材
間柱はスギですが
集成材なんてのも
昔は無かったですね


ですから家を作るのは
檜とスギだけでした
ツーバイJ
一方ツーバイフォーの木材はSPF材になるので
(米松とかモミです)
そんな木材も日本には
無かったのですが
ツーバイK
なんと檜のツーバイ材がありました


含水率とか品質とか
JIS規格に合うようにしないと
いけないので凄く高そうですけど


栃木県にあるハーフビルドホームさんという所で
名前の通り「ハーフビルド」なので
自分で出来る所はDIYしてという
ちょっと変わった工務店さんなので
こういう商品も出せるんだと思いますが
ツーバイフォーで普通に流通しているものは
SPF材ですが

こちらに関しても
ツーバイフォーと在来工法も
一部の高級メーカー以外は

輸入木材ですし
どちらが劣っているという事はありません

 

なので在来もツーバイも変わりません

ツーバイフォー工法が
日本でも問題ないように発展して
逆に「在来工法は劣っている」
という意見も多くなって


一番の理由は
ツーバイフォーは壁で支えるので
柱で支える在来に比べて地震に強いというものですが

たしかに筋交いと
柱だけでは耐震性能に問題があるのですが

今の在来工法は
半分以上のメーカーは耐力面材を付けて作ります

ツーバイ1

タマホームは独自の面材を使ってます

ツーバイ3
レオハウスはダイライトを使います


ダイライトはこの手の商品では
かなり高性能なのでウリにした方がいいですが
名前が出て来ません
(もしかしてグレードによって使うものが違うのかな・・・)

ツーバイL

我が家でももちろん付いています

ダイライトは
昨年末あたりから半年ほど

在庫不足の為受注停止になりましたが
今は普通に在庫が出回っています
(その間は何を使っていたのかは謎です

ツーバイ2

桧家住宅さんも独自の面材です


ハイブリッド工法とか名前がかっこいいですね(笑)

ツーバイ4
アイフルホームさんは
「グランドスクラム構法」です
なんか凄そうな名前です


割とローコストな
メーカーを出しましたが
ほとんどが在来工法の場合
耐力面材を付けています

ツーバイm
この辺りも今はローコストメーカーでも
ほとんど行っていると思います


実際昔からある柱+筋交いだけの場合
職人さんの腕の差が大きいので

パネルを使った方が
容易に耐震等級も上げれますし

職人さんの腕の差も
出なくなります


お互いの工法が
日本でも問題無く住めるように

ツーバイフォーは日本の多湿多雨に対応して
在来工法も日本の地震の多さと
高気密に対応しています


なのでどちらで作っても
今はそこまで変わりません


ちなみに
我が家は在来工法ですけど
これは気に入った間取りが
当時候補に入っていたツーバイのメーカーでは
作れなかったからだけで
一応自由な間取りで作れるメリットが
在来工法にはありますが
これはローコストなツーバイでしたので
対応出来なかっただけなので


工務店、メーカーによっては
我が家の間取りも充分ツーバイフォーでも作れます

という事で聞き流しましょう

色んな工務店、ハウスメーカーに行くと
在来工法の営業さんは
ツーバイフォーの短所を


ツーバイオフォー工法の営業さんは
在来工法の短所を


お互い言う場合もありますが
古い時代の話が多いので
話半分で聞きましょう(笑)


私も柱と筋交いだけの写真見せられて
「ツーバイのが安心ですよ」って言われたり
「ツーバイは雨降ると家がダメになる」って
言われたりもしましたが
「そうなんですね」って流しておきました


本当に問題になりそうな
ツーバイでしたら
上棟(という言葉もおかしいですが)から
屋根が付くまでの日数
在来工法でしたら
柱と筋交いだけでなく
耐力面材を使うか
後はどちらの工法でも 
雨天時はちゃんと延期する
スケジュールを組めるかどうか
(ルーフィング付いちゃったら問題ないんですが)
これくらいは確認はしたほうがいいと思います


特に梅雨時や
台風時期は注意ですね


今回どちらの工法でも
問題ないと書きましたが

ちゃんとした施工をしたら
どちらでも問題ない
という話ですので

 

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • 在来工法も強度が上がりましたが厳密に言うと今でもツーバイフォー工法に強度では劣ります。
    理由は以下の4点です。
    ①在来工法は6面体にならない
    おっしゃる通り現在の在来工法は面材を張りますので外壁の4面は面構造になりますが、床部分は壁に乗る形を取っていないので箱型になりません。
    謂わば筒構造のような造りなので不規則に揺れた場合に同程度の壁強度でもツーバイフォーの方建物の変形が少なくなります。
    ②壁倍率の基準が違う
    在来工法とツーバイフォー工法だと壁倍率の変形量の基準についてツーバイフォーの方が1.25倍厳しく設定されています。
    よって同倍率であっても在来工法の方が壁の変形量が多くなりますので、当然地震時の影響も大きくなります。
    ③耐震等級で考慮されてる要素が違う
    在来工法とツーバイフォー工法の耐震等級の要件を見てみると分かりますが、同じ耐震等級でもツーバイフォー工法は要件の中に積雪1.5mの想定がある為耐力壁量が在来工法よりも多く必要な基準となっています。
    つまりツーバイフォーの耐震等級は在来工法なら多雪地帯仕様と同じ物が何処でも標準仕様になるということです。
    これにより在来工法よりも耐震等級1なら1.5〜2倍、3なら2〜3倍近い強度が出ることになります。
    ④間取りの制約が多い
    ツーバイフォーの欠点のように語られている部分ですが、ツーバイフォーで避けられる間取りというのは当然在来工法でも強度的に問題の出てくる間取りということなんです。
    ツーバイフォー工法でも構造計算を頑張ってもらえば間取りの自由度は確保出来ますし、逆に頑張らずに自由に間取りを設定出来てしまう在来工法のプラン制約緩さはかなりマズイのです。
    以上です。
    在来工法にも様々な優れた点はありますが、こと強度に関する制約はもっとツーバイフォーを見習うべきと考えます。

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