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吹き付け断熱(アクアフォーム)に防湿シートは無くてもいい理由

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断熱材によっては
防湿層ってのは省略出来るのですが


この問題
「防湿層は要らない」って人と
「防湿層は要る」って人が分かれていて


どちらも
一長一短な部分もあるのですが


私は
アクアフォームには
要らないと思ってますし


地域によっては
間違いなく無い方がいい場合もありますから
我が家は防湿層を入れていませんが


要らない理由と
メリットとデメリットを
なるべく分かりやすく説明します


ちなみに前回記事の
吹き付け断熱と
グラスウールの耐水実験も
見て頂くと


さらに分かりやすいと思います

目次

・要らない理由① そもそも湿気をそこまで通さない

本題の
夏型結露の問題は理由②に書きますが


大前提として
アクアフォームは
防湿層が要らない断熱材です


逆にグラスウールなどの
防湿層が必要な断熱材は
要らないという選択肢はありません


断熱材の種類によって透湿率が異なり

素材によって

・湿気を通しやすい断熱材

・通しにくい断熱材があります
透湿率を見ると分かりますが
グラスウールとロックウール
セルロースファイバーは
めちゃくちゃ湿気を通します


アクアフォームは
硬質ウレタン3種ですから


スタイロフォームや
アクアフォームNEOに比べたら
湿気を通しやすいですが
それでもグラスウールの
5分の1程度です



それを室内側と室外側で
計算して透湿抵抗比を出して
断熱等級の地域も含めて
色々な計算をしますが


簡単に言うと
「結露はこの断熱材なら
防湿層無くても問題ないんじゃない?」って
場合は省略してもいいよって決まっています


もちろん省略できると言っても
全然湿気を通さないわけじゃないんですが


前回記事の浸水実験ですね
こちらで水を掛けた時の
重さを測りましたが


吹き付け断熱はグラスウールほど
水分を吸いません


そして
もうひとつ
これだけ水に浸しても
アクアフォームは
変形しませんが


グラスウールは
すぐにペチャっとなってしまいます


これは
透湿抵抗が高い物は
水を含みにくいですから
当然変形もしないのですが



まず
「省略してもいい断熱材は
湿気は
多少は通すけど
簡単にはダメにならない」と
いうのを覚えて頂いて


その②にいきますが


そもそも省略してダメな物でしたら
省略出来ませんから

・グラスウールは
 この実験結果を見れば分かりますが
 省略が出来ませんし


・ちゃんとした施工で防湿層を貼らないと
 ダメになってしまいます

・要らない理由②逆に夏型結露の原因になる 

最近問題になってる
夏型結露ですね



昔は夏の結露なんて
考えも無く家を建てていたみたいですが・・・


そもそも防湿層ってのは
家の湿気が
壁から断熱材に伝わるのを防ぐ物です
普通は赤い〇の位置に
防湿シートを施工します



一般的に
内部結露と言ったら冬ですが


室内側から見ると
断熱材の手前に
防湿シートがあるので


家の湿気が壁から排出されにくいので
内部結露しにくいという物です



真冬の朝でも今の高性能住宅は
エアコン点けていれば

・室内は24℃

・外は0℃以下という状態が普通にあります


防湿層の位置は
ボードよりも奥ですから
そこまでの温度差は無いですが


ここに防湿層が無いと
家の湿気が排出されますから
グラスウールは
湿気に弱いのでベチャベチャになるので
防湿層は絶対に必要ですし


そもそも
グラスウールの場合は
防湿層は省略出来ません



・・・・
・・・
・・
・


防湿層を省略出来る
透湿抵抗値が高い断熱材でも


防湿層があった方が
壁から排出される湿気は
減るわけですから


冬だけ考えたら
あった方がいいのですが


結露なんて
夏でも冬でも温度差があれば起きますから
例えば
私の住んでいる甲府市だと
夏は外気40℃
室内はエアコンで22℃って事もありますし


外壁が太陽光に晒されれば
もっと温度差は出ますから
冬並みの温度差になります


しかも日本の夏は
超多湿ですからね・・・


温度、湿度は

・高い方から低い方

・低い方から高い方と移動しますから


先程の画像をもう一度見ると
夏は室内、室外の温度差が逆転しますが


冬と違って
防湿層の所で
湿気が止まっちゃいます

・室内側だったらボードの位置で
 結露が起こりますが

・外側の結露は断熱材ですから
 ここで長時間結露は
 ちょっとよろしくないです・・・


でも、ここに防湿層が無ければ
室内に多少は入ってきますから
断熱材部分で長時間
湿気が滞在する事を防げます


もちろん冬場は
あった方がいいですけど


室内→石膏ボード→断熱材を通して
最後の合板と透湿防水シートまで
抜けるようにしたいので
構造用合板も
湿気を通しやすい物と
セットで考えないとダメですね
通気工法の通気層まで
ちゃんと湿気が通るように
した方がいいです


透湿防水シートは
今はほぼタイベックですから
ちゃんと施工してあれば
心配する事はないですが


せっかく
湿気に強い吹き付け断熱を
使っているなら

・冬は通気層に湿気を逃がして

・夏は室内側にまで逃がして
 

断熱材に水分を留まる事を防ぐには
防湿層は要りません


冬だけの事を考えたら
アクアフォームでも
防湿層があった方がいいんですけど


特に袋入りグラスウールは
ちょっとした水分で
潰れちゃいますから


夏、冬問わず
完璧な防湿対策が必要になってきます

・要らない理由③ 施工精度で逆に問題になる

そもそも防湿シートが
あっても無くても
湿気に強い断熱材であれば
問題ないのですが


特に吹き付け断熱なら
何もしなくても気密が取れますし
防湿気密シートを貼れば
さらに気密が上がる可能性もありますが


ここで問題になるのが
防湿層の施工です


そもそも私がローコスト住宅で
グラスウール否定派なのは
正しい施工が出来ない問題です


袋入りグラスウールを完璧に
施工出来る業者なんて
北海道、東北を除けば
本当に少ないです


どこでも
オプション費用を払えば
防湿層は付けてくれると思いますが


例えば畳1畳分の石膏ボードに
針で1つ穴を開けるだけで
湿気はそこに集中します


針1つ分も隙間が無ければいいですが
温暖地の慣れてない業者が
まして標準が吹き付け断熱なら
ほとんどの家は
防湿シートを貼りませんから


オプションでシートを貼って
完璧に施工出来る
確率ってかなり低いと思います


何もしなくても問題が無い物を
あえて問題を起こす必要もないので
我が家は何もしていません


地域で考えは違うので
自分の地域の温度、湿度では
どうなるかよく考えて


「じゃあアクアフォームなら
防湿シート要らないね」って訳でも無く
例えば北海道、東北なら
夏型結露が起きるような
温度じゃない場所が多いですから


そうなると
防湿シートのメリットもあると思います
なにより寒い地域は
業者も慣れていますし


私が東北、北海道の人間なら
間違いなく付けてます

・温暖な地域なら付けないメリットが大きい

結局、結露ってのは
夏、冬関係なく
温度差で発生しますから


簡単に結露が起きないようにするには
外と室内を同じ気温にすれば
結露は起きません


昔の人は
家に帰ると
窓開けてましたけど


こうすると
家と外の温度、湿度差が
すぐ同じになるので
結露部分も乾きますからね


一番良くないのは
完璧に計算、施工がされてない家での
24時間エアコンで
下手すると乾く暇がありません・・・


少なくとも関東以南なら
吹き付け断熱の場合は防湿層は無い方が
将来のメリットは高いかなと思います


そもそも私の住んでいる甲府市なら
40℃超えますから


ちょっとでも
夏型結露の心配をする業者さんなら
わざと防湿層付けないんじゃないでしょうか


ちなみに前回実験でも使った
アクアフォームNEOは
さらに透湿抵抗値が高いので
予算に余裕があるなら
やはりこちらに変更ですね


高断熱化出来て
結露にも強いです


残念ながら、私が建てた時には
まだアクアフォームNEOは無かったんですけど
あったら50万円程度の増額なら
そちらにしてましたね


窓を変えるよりも
家の長持ち度的に
メリットがかなり大きいと思います


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コメント

コメント一覧 (8件)

  • コメント失礼します。
    工務店のA3種+ノボパンで防湿シートなしなのですが、その場合は防湿シートを施工する方が安全だと思われますか?
    慣れていないのと透湿抵抗が7.4と高めなので、考えています。
    耐力壁を変更するのは予算的にきついですし、どうしても部分的にスキンカットするでしょうから余計湿気が抜けやすくなりそうで…。
    6地域です。

  • >>1
    家おたくさん
    コメントありがとうございます
    >>慣れてない
    工務店さんは普段防湿シートは標準で
    貼ってないって事で良かったでしょうか?
    それなら私ならしません
    慣れていない事をさせて
    いい事なんて職人の経験値が上がる以外
    自分の家に関してはいい事ありません・・・
    もちろん同じ6地域でも
    外気の気温、湿度は全然違いますから
    一概には言えませんが
    ノボバンよりもさらに数値が悪い
    ツーバイ材なんかも
    数値上は結露でボロボロなはずですが
    実際に解体すると全然平気なんですよ
    結局どんな時期でも24時間結露してる事はないし
    造り手のシミュレーション通りではないのですが
    ただ、北海道や東北なら
    間違いなく付けると書いてますし
    本当に6地域でも全然隣県に行くだけで
    環境は変わりますから
    まず工務店さんが「要らない」というなら
    何故要らないか聞いてみて
    納得出来るかどうかですね
    不安を持って住みたくないと思いますし
    中身は見えませんから

  • >>2
    返信ありがとうございます。
    標準で張ってないんですよ。
    部分的にでもスキンカットは避けられないと思うので、その部分から透湿して湿気がノボパンとの間に溜まらないかとか心配してしまいます。
    そこまで気にしなくてもいいのかもしれませんね(笑)

  • >>3
    私が同じ立場でもシートは貼らないと思います
    通気層さえちゃんとしてれば
    問題無いと思いますし
    実際に解体してると
    皆さん気にしすぎだよなぁって位に
    木って割と丈夫って実感します笑

  • >>4
    長々とすみません。
    もし防湿シートなしにすると、スキンカットしたアクアフォームに湿気が入り込んで性能が劣化したりしないですかね?
    A種3は25%劣化するとかいう情報も目にするので、どうなのかなと…。

  • >>5
    24時間、365日入り込めば
    劣化すると思いますよ・・・
    https://reogress.net/archives/29727484.html
    この実験もありますし
    これは超長期実験なので
    記事はまだ書けませんが
    この時の断熱材を
    そのまま物置で放置してますが
    まだ何も変わっていません(笑)
    ノボパンはちょっと数値落ちますけど
    放っておけば乾きます
    その為に冬は通気層まで逃がして
    夏は室内に逃がします
    夏を効率よくするには
    再熱除湿のエアコンだったり
    除湿機ですね
    特に今の家は断熱性能いいですから
    エアコンの設定温度なんで
    すぐにいきますので
    どちらかはあった方がいいですよー
    だいたいダメになる系の
    シミュレーションって
    悪い状態が長期間続くって前提なので
    もちろんちゃんと施工しないとダメですけど
    そもそも何で要らないのかと言ったら
    必要が無いからですから

  • >>6
    やはり気密シートを完璧にできるか信用できないので、念の為に耐力壁だけハイベストウッドに変更を検討してみます。
    大地震でのA種3の柱からの剥離やひび割れも気になりましたが、過去の記事をあさったら実験されてますね!
    心配ない…ですよね?(笑)
    参考になります。

  • >>7
    吹き付けって工法自体は
    グラスウールやロックウールなど
    昔からあって
    店舗なんかは割と使っています
    私は実際に30年40年前の
    家の中身を見れる仕事なので
    「問題ない」と判断しました
    予算次第ですが
    ・耐力壁の変更
    ・防湿シートの追加
    どちらかだけ選択なら
    私も耐力壁を変えると思います
    まあ、変えなくても大丈夫だとは
    思いますけど・・・

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